『 建築の設計とは 』 その手がかりとなる諸要素の関係性を組み立て、それらを出来るだけ シンプルに構成すること。 建築の設計にはすべてに共通する絶対的な正解がありません。 また、建築はたくさんの諸要素が多元的に絡み合って成り立っており、 非常に複雑です。 設計とはそれらの諸要素を、バランスを保ちながら 構成して組み立てていく作業です。 逆に言えばそれらの諸要素は 建築を設計する上での手がかりとなります。 <諸要素> @外的要素:周辺状況や法規制、地域性などといった環境→敷地条件 A内的要素:住み手の生活スタイル、家族構成、要望、予算 etc. これら建築に盛り込まれる内容を間取りのような平面的なプランニング としてまとめるのではなく、各要素を空間的に整理してそれぞれの 関係をシンプルに構成していきます。 その段階で住宅の場合は『癒し』 という要素を盛り込むことを意識しています。 『 静かで癒される空間 』 静寂、静謐が漂う空間は緊張や疲れから開放し、癒しを与えてくれます。 この静かさというのは、携帯電話の着信音が街中の様に鳴り響かないと いうことはもちろん、その様なデシベルなどで計れる音の大小だけでは なく、安心感や安堵感からうまれる心の落ち着きの様なものです。 インターネットやEメール、携帯電話などの近代を代表するすぐれた 道具によって、情報ネットワークは全世界に張り巡らされ、計り知れ ない便利さを我々は手に入れました。 忙しく時間がない、また複雑で 多様化した地域、家族、仲間といった人間関係をなんとかつなげて いるのもそれらの道具かもしれません。 しかし人のつながりを複雑化、 多様化させた要因がそれら自身であることも否定しにくい所です。 その中において住宅は、巨大なネットワークの中で鈍ってしまった 身体感覚を再生させると共に複雑、多様化によるストレス、緊張、 疲れから開放してくれる癒しの空間であって欲しいと思うのです。 デザイン、素材、色、ディテールなどは上記の諸要素をまとめていく 上で決定していきますが、特に外的要素には誰も無視することの できない原則が多く含まれています。それらが当たり前に守られれば、 きっとすばらしい町並みが生まれるはずですが、必ずしもそうでない のが、今の日本の現状です。 個々の家々はもちろんのこと、それらの 集合体である街、地域を美しくしていきたいと考えています。